もっと知的であれ。爽快であれ。
05世代のAutoExeは“Tune COOL!”へ。

チューニングのあり方もまた、変わらなければならない。

いま、クルマの姿がさまざまに変貌しつつある。時代の最先端として持てはやされたHYBRIDやEVも、いまやPHEV、ダウンサイジングターボ、クリーンディーゼル、FCVなどへと選択肢を拡大。またSUVやプレミアムブランドを中心に、エコ(環境)+パワーを備えたスポーツモデルも復活してきている。そしてアクティブセーフティ(予防安全)、パッシブセーフティ(衝突安全)といった社会的・公共的性能への取組みもクルマの未来に不可欠なものとなってきている。
とはいえ、これらの進化や傾向は、エレクトロニクスやソフトウェアなど人間の介在を弱める先進技術に負うところが多く、ドライバーが積極的に関与するスポーツドライビングという観点で見ると、必ずしも無条件に歓迎できるものではない。なぜなら、高度に電子制御が進んだ現代のクルマは、そのアシスト機構により誰がドライブしても一定の範囲内なら安全かつ安心して走れるが、ドライバーが受けとるインフォメーションは希薄な傾向にあり、結果、リアリティが失われる「ドライビングのバーチャル化」を招いている。つまりドライバーは様々な局面においてクルマに制御され、知らないうちに「クルマを操る」から「クルマに乗せられている」状態に置かれてしまうのだ。ドライビングにスポーティな快感や豊かな趣味性を求める私たちにとって、その代償はきわめて大きい。
しかし、時の流れや社会的要請に背を向けたチューニングに未来はない。従来の考え方や手法のままではチューニング領域は狭められる一方なのである。知能化や公共性能に突き進むクルマの進化の中で、チューニングのあり方もまた、変わらなければならないのだ。

 

私たちのチューニングが果たすべきこととは何か?

自動車メーカーのクルマ作りは、準拠法規より更に厳しい自らのエンジニアリングスタンダードに基づいている。設計には不特定多数のユーザーに対応するための最大公約数的なマージンが必要とされ、それは純正スポーツオプション用品でさえ例外ではない。自動車メーカーにおいてダブルスタンダードは許されないのだ。
そこで、一般的にアフターパーツと呼ばれるチューニングが存在する訳だが、その製品づくりのアプローチは千差万別である。個性化を最優先して保安基準に合致しない違法改造品や、法規さえ通ればとギリギリのモノ、なかにはチューニングは自己責任という枕詞で安全装置を排除してしまうケースもある。しかし、例えば、レーダーを用いた自動車の衝突被害軽減ブレーキシステムやセンサーを用いた歩行者障害低減システムの機能不全化を伴うようなチューニングは、ドライバーの自己責任の範疇を超えてしまうことは明らかである。私たちは何をすべきか、何ができるのか。それは、大人の趣味としての社会性や高品位性を身に付けたチューニングによって、クルマ本来の「操る楽しさ」を取り戻すことであり、そのための技術的課題を果敢に克服することにある。

「感性チューニング」で、人とクルマのピュアな交歓を目指す。

私たちAutoExeが1997年の創業以来提唱するのは「マツダ車個性化プロジェクト」。日常の運転をよりスポーティに楽しみたい人々へ向けて、量産車に必要な快適性や生産性のためのマージンを削り、その余力でストリートベストな高性能を引き出すチューニングである。それゆえ競技車両のようなスペック至上主義のチューニングとは一線を画すとともに、エアロだけ、サスペンションだけといった単体部品に限定された部品発想ではなく、あくまでトータルな車種発想をベースとして各パーツの開発を貫いてきた。
では、ストリートベストを実現する手段とはなにか? その中核をなすのが、動的感性工学をベースにした私たち独自の「感性チューニング」である。それはドライバーが求める思い通りの走り。すなわち自分の身体の動き、思い描いた感覚にズレがない走りの実現である。工業製品として洗練された現代のクルマが失いかけているクルマとのピュアなインターフェイス、人間的なコミュニケーションの復活と増幅・・・この対話の密度が深まれば深まるほど、クルマを操る楽しさは特別なものとなる。まさに私たちが目指す「人馬一体感」の走りである。
そして、この「感性チューニング」に向けて、私たちは「こだわり」と「ことわり」をもった商品開発を進めている。「こだわり」とは、いわば私たちのDNA。商品化にあたって目的やコンセプトにブレのないこと。それによって共感を築くことである。また「ことわり」とは「こだわり」を実現するためのアイデアや技術的方法論。一般のチューニングキットには稀なボディ剛性を高める本格的ブレース類や、動的感性工学に基づくストリートスポーツサス・キットが、その最たる例と言えよう。

“Tune COOL!” 05世代はファンとマナーの両立へ。

2015年、私たちの開発コードは「05」へと前進する。01~05とは、AutoExeの開発プログラムの世代を表すコードネーム。ベースとなるクルマの世代や新型車~絶版車とは関係なく、私たち自身が設定したコンセプトの進展を追ってコード化している。そして、この05世代のキーワードを、私たちは“Tune COOL!”と名付けた。冒頭でも述べたように、今後のチューニングは、社会や環境の変化に即した公的なエッセンスを確立させながら、ドライバーとクルマの対話をもっと濃密なときめきへと引き上げなければならない。言い換えれば、個々のためのファン(快感)と社会のためのマナー(態度)の両立である。“Tune COOL!”とは、そのためにチューニングのさらなる知的洗練を高めて行くことであり、それによってチューニングはクルマ文化におけるサブカルチャーとしての市民権を獲得して行くと私たちは確信している。

具体的には、まず①「動的感性」、②「静的感性」の深化である。アフターパーツにありがちな経験や勘だけに頼った開発ではなく、自動車工学視点での設計、開発、テストを経たロジカルなモノづくりや、これ見よがしではないスポーツフォルムに込めた端正でアグレッシブな造形へのこだわり。私たちがかねてより主張してきたこの2つの感性
を、さらに推し進めて行きたい。
そのうえで05世代が果たすべき役割が、③「知的感性」と④「公的感性」への拡張である。「知的感性」とは、製品としての提案だけでなく自動車の工学的視点での解説や知識の発信、情報を共有することで、サブカルチャーとしてのクール度を深めたいと考えるのだ。マツダ(株)でスポーツカーの開発主査を歴任した貴島孝雄氏のスーパーバイズで、2011年からWebで連載している「貴島ゼミナール」は、動的感性工学を理解する良きバイブルとして、深く皆様へメッセージしていると信じている。
さらに「公的感性」については、すでに保安基準への適応はもちろん、必要な社会的規範を備えている私たちの製品だが、今やそれだけでは時代の要請は受け止められない。例えばスタイリングキットにおいては、過剰な変化感や装飾性を排除するとともに、安全技術と融合し、社会や環境にしっかりと配慮したマナーある製品をプロデュースして行く所存である。
AutoExeが掲げる“A NEW DRIVING SENSATION” 、そのメッセージは変わらない。私たちの05世代は、静的、動的、知的、公的という4つの感性領域において洗練度を高めることで、ストリートベストの新しいドライブ感覚を深化させる。
「いま」にふさわしいチューニングの歓びを、より強く共有するために。ご一緒に“Tune COOL!”体験へ。