KANSEI-TUNING@前後G、ピッチング。


車を運転することの愉しみを「スピード」と断言する人がいる。日本における現実という意味では、むしろ「加速感」と言うべきだろうが、その胸のすく快感は、確かに理屈を超えて魅惑的だ。ただ、現代の車においては、例えば、大排気量のターボエンジンなどを手に入れれば、それは誰が運転しても同じということで、いささか面白みに欠けるとも言えよう。ここでも、問題は絶対性能ではなく、過度特性。つまり、乗る人の期待に素直なレスポンスこそが、だから、感性のチューニングが必要だと、私たちは思うのである。だから、私たちのチューニングは、エンジン周辺のデバイスに限定される。NAロータリーというパワーユニットの特性をよりスムーズに引き出すための、より安定した燃焼を可能にするための、給排気及び電装品の効率向上がテーマなのである。

同時に逆向きの加速度という意味では、ブレーキの感性チューニングには、より大きなエネルギーを注入した。もちろん、停まればいいという類のものではなく、その減速Gの出方が、いかにドライバーの期待値に忠実かという観点でのチューニングである。よく言われるように「足の裏がブレーキローターに直結している」感触が狙いだ。

さらには、前後Gを起因とするY軸周りの車体の回転(ピッチング…加速時のスクォットと減速時のノーズダイブ)についても、サスペンションのチューニングが功を奏して極めて微少に抑え込んでいる。水平に加速し、水平に停まることの快感は、前後Gをよりダイレクトに感じさせ、車との一体感を高めるのにも寄与するはずである。

つけ加えるに、加速感性には、やはり、それなりのBGMが欲しいものだ。その意味では、アイドリング時には量産並の音量でありながら、回転の上昇につれてレーシングロータリーのごとく澄み切ったサウンドを奏でるステンレスマフラーは必需品でもあろう。

より濃厚なREパワー、より緻密な減速G…、この面での感性チューンは、論理やスペックではなく、ぜひ、ご自身の肉体で体験されるようお勧めしたい。