“違い”を決める精密な工程。 NDロードスター エンジンプロジェクト。

これまでコンセプト仕様をご紹介してきた「ファインチューニングリビルドエンジン」ですが、今回は実際の加工工程をピックアップしてご紹介します。

私たちが、目指しているのはあくまで“ストリートベスト”なエンジン。
扱いづらさや寿命を犠牲にするようなハードチューニングではなく、本来のキャラクターを活かしつつ、街中でも感じられる軽快さやスムーズさを磨き上げたファインチューニングです。

たとえば、ポートの加工は“研磨”というよりも軽くさらう程度。バルブのシートカットリフェースは、燃焼室の気密性を高めるだけでなく、面と面のつながりを滑らかに整えることがねらいです。
吸排気の抵抗を低減する極めて重要な“キモ”の部分ゆえに詳細の公開は控えさせてください。

シリンダーブロックは、ヘッド組付け時の引張応力を再現した「ダミーヘッド付き精密ホーニング」により、高い精度を確保。
さらに、クランクシャフトはラッピングによってフリクションロスの低減とメタルダメージを抑制すると共に、
フライホイールとのダイナミックバランス調整で滑らかな回転フィールを実現します。

そのほか、量産を超える精度で管理される各部クリアランス重量組付けトルクなど、細部に至るまで丁寧な作業を施しています。
数百点にもおよぶ部品の集合体であるエンジンだからこそ、その積み重ねが、全体として“よどみなく”軽やかに回る感覚へとつながります。

また、リビルドに際しては、性能の“回復”も重要なテーマです。
長年の使用で蓄積するカーボンやスラッジ、加えて摩耗による各部クリアランスの劣化が、気密性や回転のバランスに悪影響を及ぼします。
そのため、上述の作業と並行して、消耗品は最新のマツダ純正部品に交換します。

気になる発売時期は、9月頃を予定。
次回は、正式な発売のご案内です。お楽しみにお待ちください!

Posted by K.Nishioka