「意のままの減速」、その深化に向けて。
ブレーキチューンの鍵は剛性確保にある。
動いて機能する部品を正確に作動させるためには、その支えとなる部位を動かさないことが理想である・・・私たちAutoExeは、かねてからボディ補強をチューニングの原点と主張してきた。それはブレーキシステムにおいても同様だ。走りを愉しむスポーツ志向のドライバーにとって、量産車で許容される作動各部の僅かな歪みを抑えることによる“効き味”の改善余地は少なくない。
その中で、私たちが着目したのは、踏力を油圧に変換し、パッドへと伝えるブレーキペダル~マスターシリンダーに至るユニットの剛性である。本来、油圧へと変換されるはずの踏力の一部が、ユニットが装着されるバルクヘッド(エンジンルームとキャビンの隔壁)やユニット自体の僅かな歪みへと逃げ、効きの遅れとして現れてしまう(図参照)。無論、普通に運転するには、全く無視できるレベルであるが、私たちが目指す「意のままの減速」の実現においては、見逃せないチューニングポイントなのである。
ブレーキシステムの構造を簡単に説明しよう。ドライバーの踏力はブレーキペダルからプッシュロッドを通じてマスターシリンダーによって油圧に変換。ブレーキライン→キャリパーのピストンがパッドを押し、ローター(タイヤ)の回転を止める事で制動力を発揮する。また、一般的なエンジン車では、吸入エアの負圧(バキューム)を利用するマスターバックの倍力効果により、少ない踏力で高い液圧を発生させる。
①ペダルブラケットとバルクヘッドの歪み。
ブレーキ操作時の踏力によりペダルを固定するブラケットに歪みが生じる。また、本来プッシュロッドを押すための踏力がバルクヘッドをたわませる。
②マスターバックの歪み。
マスターバックの外壁は、エンジンON,OFFやブレーキ操作による内部の圧力変化により変形。マスターシリンダーのピストンの動きなどに影響を与える。
それらの動きをスチール製ブレースで前後方向から立体的に抑え込み、正確なブレーキ操作を支援するのが、私たちの「マスターバックブレース」だ。室内側の「ブラケットブレース」は、ペダルブラケットを左右から挟み、バルクヘッドとペダル取付け部を補強。エンジンルーム側の「フロントブレース」は、マスターバックとサイドフレームなどと繋ぐことで、ペダルを踏んでからブレーキが効くまでの僅かな反応の遅れを改善している。その効果は、街中や高速道路での微細な速度調整やワインディングコーナーでの姿勢変化のコントロールといったシーンで実感いただけるはずだ。 「意のままの減速」=感性にシンクロする効き味に向けて・・・“μの過渡特性”に、とことんこだわった私たちの自信作、ストリートスポーツブレーキパッド。そして、システムの剛性確保という同じコンセプトに基づいたスポーツブレーキラインと共に興味を寄せていただきたい、実力パーツである。
<商品適合表>
■Mastervac Brace スチール製
車名 | 適合車種 | 部品番号 | 税込価格 (税抜価格) | 仕様 | コード | 参考作業 時間 |
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RX-8 | SE3P | MSE495 | ¥33,000 (¥30,000) | 4ピース構成 | D | 1.0h |
ロードスター | ND系全車 | MND4950 | ¥33,000 (¥30,000) | 5ピース構成 | D | 1.0h |