車高-20mmが基本。スタイルと乗り味を両立。

タイヤチェーンの装着やロードクリアランスへの配慮など、不特定多数を対象に設計された量産車の腰高感は致し方ない。できれば乗り心地感はそのままに、タイヤとフェンダーの隙間を詰めて低く魅せたい・・・そんなオーナーに向けて、スタイルと乗り味を両立させたのが私たちの「ローダウンスプリング」である。
開発のポイントは、組み合わせる量産ダンパーを熟考したセッティングにある。ダンパー側のスペックは変更できないので、すべてがスプリングの設計に委ねられるというわけだ。たとえば、車高を下げれば、クルマの重心は低くなり運動性能は高まるが、下げ過ぎると重心とロールセンターの距離が開いてしまい、ロール量は増加してしまう(図A)。逆にダウン量を極少とすれば、スタイリングに変化を感じられない。また、量産に比べ車高は低くなった分、ダンパーの有効ストローク量が少なくなるため、バネの一部として機能するバンプストッパー使用域が増える。それゆえに、スプリングとバンプストッパーを組み合わせた状態でのセッティングが綿密に求められるのだ(図B)。低すぎない、硬すぎない・・私たちが理論と経験から割り出したスペックは、車種により異なるが、車高-20mmが基本。バネ定数は、独自の減衰比(バネ定数と減衰力のバランス)に基づき算出し、唐突感のない自然なハンドリングを実現する。より自然な乗り味を望むなら、車高ダウン時のスタビライザーのアーム角を補正するアジャスタブルスタビライザーリンクとの併用を推奨する。

「車高ダウン量」と「バネ定数」の関係(図A)

理論的には、車高を下げればクルマの重心は低くなり運動性能は高まるが、車高を下げると重心以上にロールの中心点が下がるため、「重心⇔ロールの中心点」の距離が長くなる。仮にコーナリングで同じ遠心力(緑矢印)が加わった場合、ロールさせようとする力=ロールモーメントは、その距離に比例して大きくなるので、車高を下げるほどロール量も大きくなってしまう。また、サスペンションのストローク量はダンパーで決まるため、車高を下げすぎるとストローク不足による底付きを起こしてしまう。

「ストローク量」と「バンプストッパー」の関係(図B)

ダンパーのストローク量は「①スプリングだけが受け持つ領域」と「②スプリング+バンプストッパーの領域」が存在する。ロールが進行し、ストロークすることで①→②と移行するが、量産スプリングに比べストローク量が少ないローダウンスプリングでは、量産仕様以上に①→②に移る時のバネ定数の変化が少なくスムースに移行することが重要だ。


<商品適合表>

■Low Down Spring 1台分のセット

※1 車両の装備重量や個体差などにより、車高のダウン量が異なる場合があります。
※2 360°ビュー・モニター付車に装着した場合、カメラのエーミング調整が必要になる場合があります。