今度は原動機系の効率を上記の15.73%に固定して(本来は運転状況により変化するのだが)、走行抵抗と燃費との関係を考えてみる。基本的な条件設定は前例と同じなままで、チューニングに関係しそうな数値だけを変更して、どの程度の影響が出るかのシミュレーションだ。
最初はちょっと面倒だが表計算ソフトを利用すればさまざまな検証が瞬時にできるので、自分でもトライしてほしい。40km/h定速走行でもそれなりの差が出ることが分かる。

・a/b(km/L)=33,000,000(J)x0.1573 /全走行抵抗(N) x 1,000(m)

・転がり抵抗係数が10%増すと・・・計算上の燃費は18.53 km/Lとなり、92.64%に悪化する。路面状態でも変化するが、タイヤメーカーの技術開発の最新テーマだから、タイヤの選択時の注意項目。グリップ力(摩擦力)が大きいと転がり抵抗も高くなるのが原則。細いタイヤで空気圧を上げれば抵抗は減少し燃費は良くなる。コーナリング性能重視のタイヤなら、それなりの覚悟が必要だ。
・車両重量を10%増すと・・・計算上の燃費は18.58 km/Lとなり、92.91%に悪化する。加速なし・勾配なしという設定では、転がり抵抗係数より影響が少ない(乗員重量が変わっていないから)。車重1345kgの10%(135kg)でこの程度だから、ボディ補強などによる影響に神経質な人は実際の数値で試算してみるといい。
・Cd(空気抵抗係数) を10%増すと・・・計算上の燃費は19.59km/Lとなり、97.96%に悪化する。40km/hの低速走行では空気抵抗の比率が小さく(全走行抵抗の20%程度)影響も少ないのだ。
因みにCdを変えずに速度を10%上げる(→44km/h)と、19.16km/Lとなり、こっちの方が影響は大きい。速度の2乗に比例するからだ。100km/hならCd=0.33で9.58km/L、Cd=0.363で9.02km/Lと、一気に悪化する。